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どんくらの映画わくわくどきどき
自分が観た映画の話題を中心に書き留めている個人的なブログ。 写真はパリ ノートルダム大聖堂(2000) 文中敬称略。文&写真:どんくら
本陣殺人事件 (1975)
横溝正史の推理小説の映画化。原作では金田一耕助が初登場する。DVDで観た。音楽を大林宣彦が担当している。

「本陣」というのは江戸時代、大名や旗本など地位の高い人専用の宿。かって本陣を任されたほどの名家で新婚夫婦が新婚初夜に密室で殺される。原作の時代設定は昭和初期だがこの映画では現代(映画公開時)になっている。おなじみの金田一耕助の風体は頭はぼさぼさだが洋装。

犯人としては密室殺人なんて大それたことを考えてはいなかったが不運なことに季節外れの雪が積もってしまったため急遽密室殺人に切り替えた。当初の計画通りなら単純な殺人事件として金田一耕助の興味をひかず警察に任せたかもしれない。


□ もうすぐ5月だというのに雪が降ってきた。一柳家では当主の一柳賢蔵と久保克子の婚礼が執り行われた。
 一柳家はかっては山陽道沿いの本陣を務めたという名家。賢蔵の少し頭の弱い17歳の妹、鈴子が琴を演奏した。披露宴の席で賢蔵は弟の三郎に泥酔した伊兵衛叔父を家まで送り三郎も泊ってくるように言った。父親のいない花嫁の叔父久保銀造が列席した。久保銀造はその夜は一柳家に泊まった。

 翌朝4時過ぎ
 新婚夫婦のいる離れから女性の悲鳴が聞こえ、ついで琴をかき鳴らすような音がした、
 久保銀造たちが離れの門をなたで壊して離れに駆けつけると、庭に血のついた日本刀が垂直に突き刺さっていた。雨戸を壊して部屋に入ると新婚夫婦が血だらけで死んでいた。壁に指3本でつけたような血の筋があった。久保銀造が確認するが屋内には誰も隠れておらず玄関も雨戸も内側から閉じられていた。周囲に積もった雪に足跡はなかった。

 警察が呼ばれる。朝のうちに積もった雪も消えた。
 久保銀造が呼んだ友人の金田一耕助がやってくる。県警の磯川警部は本部長から金田一耕助の名声を何度も聞かされて知っていた。
 叔父の家から戻ってきた三郎は駅前のお菓子屋で三本指の男のうわさを耳にしていた。大きなマスクをして右手の薬指と小指がない気味の悪い男が一柳の家を尋ねたという。三本指の男は婚礼の準備をしている台所に現れ賢蔵宛の手紙を置いて行った。賢蔵のシャツのポケットから見つかった紙には「生涯の仇敵」という文字が貼られていた。
 金田一は離れの庭で血のついた琴柱(ことじ)を見つけた。そばの松の枝を支えている竹の節がくりぬかれていた。松の幹には鎌が刺さっていた。庭の先にはは水車がある。
 賢蔵のアルバムのひとりの男の写真に「生涯の仇敵」と書かれていた。
 鈴子はおとといの晩にも琴の音を聞いたと言った。

 その夜、金田一は久保銀造の部屋に泊った。
 翌未明、やはり4時過ぎ。琴をかき鳴らすような音が聞こえた。水車の音も聞こえた。
 金田一と久保銀造が離れに駆けつけると庭に日本刀が落ちていた。離れの中で三郎が血だらけで倒れていた。三郎は「三本指の男が・・・」と言った。

 久保克子が大阪で教師をしていたころの同僚で友人の白木静子が克子からの手紙を持参する。克子は賢蔵に過去に恋人がいたことを打ち明けたら賢蔵は許してくれたと書かれていた。久保銀造は姪の克子に男がいたことを知らなかった。
 金田一は琴の糸が水車の軸に巻き付いているのを見つけた。
 鈴子は病床の三郎に付き添っている母親に金田一がたまのお墓を掘り返していると訴えた。三郎はすべてが終わったと悟った。

 男の死体が見つかる。死体には右手首がなかった。金田一はたまのお墓から右手首を見つけた。
 男は賢蔵のアルバムに「生涯の仇敵」と書かれていた清水京吉だった。東京で働いていて自動車事故で大怪我をした清水京吉は久村にいる伯母を頼って歩いて家に向かっていた。お菓子屋で一柳の家を尋ねたのは久村への道標だったからだった。しかし体が弱っていた京吉は途中で倒れて死んでしまった。

 婚礼前夜、三郎は離れの庭で賢蔵が試している仕掛けを見てしまった。賢蔵は三郎に婚礼の夜他殺に見せかけて自殺するつもりだと話した。賢蔵は嫁の克子は睡眠薬で眠らせておくと言った(実際には殺してしまった)。三郎は賢蔵に協力することにした。死んでいた清水京吉の右手首を切り落とし死体は隠した。清水京吉に化けて台所に現れたのは賢蔵だった。金田一と密室殺人について討論した三郎は、賢蔵の仕掛けを使って事件を再現したのだ。
 賢蔵がつくったのは自殺を他殺に見せかけるため凶器の日本刀を自分の死後に死体から離れた庭に運び出す仕掛けで、密室殺人にするつもりはなかった。しかしいざ始めようと雨戸をあけると雪が積もっていた。足跡がなければ犯人が逃げたことにならない。急遽密室殺人にするために雨戸を内側から閉めたのだった。金田一は磯川警部や久保銀造に仕掛けを実演して見せた。

 鈴子は金田一に次に死ぬのは自分だと言った。



・ 脚本・監督: 高林陽一
・ 音楽: 大林宣彦
・ 出演: 
    中尾彬     ... 金田一耕助
    田村高廣    ... 一柳賢蔵
    高沢順子    ... 一柳鈴子
    水原ゆう紀   ... 久保克子
    東野孝彦    ... 磯川警部
    新田章      ... 一柳三郎
    常田富士男   ... 三本指の男
    村松英子    ... 白木静子

> 『事実は小説より奇なり』:昔、NHKの高橋圭三アナウンサーの決まり文句だった。大元はバイロンの言葉"Truth is stranger than fiction."らしい。

◆本陣殺人事件 (1975)

テーマ:昔の映画 - ジャンル:映画

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