FC2ブログ
どんくらの映画わくわくどきどき
自分が観た映画の話題を中心に書き留めている個人的なブログ。 写真はパリ ノートルダム大聖堂(2000) 文中敬称略。文&写真:どんくら
メアリーの総て (2017)  ★
『フランケンシュタイン、或いは現代のプロメテウス"Frankenstein; or The Modern Prometheus"(1818)』の作者メアリー・シェリーの物語。14歳でパーシー・シェリーと恋に落ち18歳で「フランケンシュタイン」を出版するまで。DVDで観た。

 メアリー・シェリーは「フランケンシュタイン」で死者に生を与えた。しかし生まれたクリーチャーは創造主から愛してもらえず捨てられ、絶望の中で恐ろしい事件を起こしていく。
 メアリー自身の人生も波乱に富み死にまとわりつかれていた。自身が生まれた時、母親は産塾熱で死んだ。異父姉のファニー・イムレイは20歳で自殺した。
 父親が反対する既婚者のパーシー・シェリーと駆け落ちし後に結婚した。4人の子供を産んだが3人は幼いころに死去した。夫パーシー・シェリーは29歳で事故死した。
 「吸血鬼」の作者ポリドリは25歳で自殺。バイロン卿は36歳で病死した。


□ (メアリー・シェリーの父親ウィリアム・ゴドウィンは英国の政治評論家・社会哲学者で無神論者の先駆者として知られていて著書もある。1797年、ゴドウィンは男女同権を主張する作家のメアリー・ウルストンクラフトと結婚。メアリーは同年8月に娘メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン(後のメアリー・シェリー)を出産し産塾熱で亡くなった。書店を経営するゴドウィンは1801年にメアリー・ジェーン・クレアモントと再婚。連れ子はクレア・クレモント。夫妻の間に男児ウィリアムができた。)

 メアリーは義妹のクレア・クレモントとは仲が良かったが、義母とは折り合いが悪かった。
 父親はメアリーをスコットランドの知人ウィリアム・バクスターの家に預けた(1812)。メアリーは娘のイザベルと仲良くなった。ロンドン育ちのメアリーにとって自然に囲まれた生活は新鮮な体験だった。メアリーは両親のように自分も作家になりたいと思っている。
 バクスター家の読書会でメアリーは詩人のパーシー・ビッシュ・シェリーと知り合い親しくなった。
 クレアが重病だという知らせでメアリーはロンドンに戻った。

 父のウィリアム・ゴドウィンが自宅に客としてパーシー・シェリーを連れてくる。
 パーシーはたびたびゴドウィン家を訪れるようになった。しかしパーシーには妻子がいた。
 メアリーとパーシーは自由恋愛を主張するがウィリアム・ゴドウィンは許さなかった。
 パーシーとメアリーは駆け落ちし、クレアもついてくる。

 メアリーとの駆け落ちでパーシーは父親に勘当され、文無しとなる。
 メアリーは町で父親と再会する。父親も金に困っていて希少本を売ろうとしていた。父親はメアリーに「覚悟して生きろ。彼は自分の娘も捨てる男だ。」と忠告した。父親はメアリーの貧しい身なりに眉をひそめた。
 パーシーの金回りがよくなり3人は召使いもいる家に引っ越す。メアリーはクララを出産した。

 3人で死体蘇生のショーを見に行く。クレアはパーシーをバイロン卿に紹介した。
 公演者はカエルの死体に電気を当てて足が動く様子を見せた。メアリーはショックを受けた。(注1)
 債権者に追われ3人は夜逃げする。幼いクララは死んだ(注2)。

 クレアを通じてバイロン卿が3人をジュネーヴに招待する。クレアはバイロン卿の子供を妊娠している。(注3)
 3人はバイロン卿が借りているレマン湖畔のディオダティ荘(Villa Diodati)に行く。別荘にはバイロンの主治医のドクター・ポリドリもいた。
 別荘にはヘンリー・フュースリーの絵画「夢魔」があった。メアリーの母親が恋した画家だ。(注4)
 
 何週間も土砂降りが続きみんな退屈しきっていた。
 バイロンは各人がひとつずつ怪奇談(ゴーストストーリー)を書こうと提案した。
 ドクター・ポリドリは「吸血鬼"The Vampyre"」を書き始めた。
 ロンドンからシェリーの正妻ハリエットの自殺死体が見つかったという電報が届く。
 クレアはバイロンから子供の養育費は払うけれどそれだけだと通告された。

 3人はロンドンに戻った。
 メアリーは「フランケンシュタイン」を書き上げた。
 バイロンに捨てられたクレアは怪物に共感して泣いた。クレアは実家に戻る。パーシーは姿を消す。

 メアリーは本を出版社に持ち込むが、18歳の若い女性が作者であることや内容の怖さでどこも引き受けてくれない。
 やっと引き受ける出版社が見つかるが、パーシーの序文と匿名が条件だった。作者はパーシーと思われていた。
 本は父ウィリアム・ゴドウィンに捧げられていた。
 ポリドリが訪ねてくる。ポリドリも「吸血鬼」を出版した。しかし出版社が勝手に著者名をバイロンにしてしまった。バイロン自身も出版社に自分の作品ではないと言ったがとりあってもらえなかった。
 ポリドリは本を置いて去る。本の間にはゴドウィン書店の「フランケンシュタイン出版記念会」のビラがはさまれていた。
 ・・・・・・・・



(注1)  公演者がガルバニズムとして紹介する現象は1780年にイタリアのガルヴァーニが発見した。この現象を研究したアレッサンドロ・ボルタは1800年にボルタ電池を発明した。電圧の単位「ボルト」はボルタにちなむ。

(注2) 実話ではメアリーは3人の子供を幼くして失った。4人目だけが成人した。

(注3) バイロン卿は数多くの女性と恋愛した。バイロン卿とアナベラ・ミルバンクの娘エイダ・ラブレスはコンピュータの父とも呼ばれるチャールズ・バベッジに師事し世界初のプログラマーとも呼ばれる(異論あり)。プログラミング言語Adaに名を残す。

(注4) ヨハン・ハインリヒ・フュースリー/ヘンリー・フュースリー:18~19世紀、英国で活躍したドイツ系スイス人の画家。絵画『夢魔 The Nightmare(1781) 』

・ 監督: ハイファ・アル=マンスール
・ 出演: 
   エル・ファニング       ... メアリー・ゴドウィン/メアリー・シェリー
   ダグラス・ブース       ... パーシー・シェリー
   ベル・パウリー        ... クレア・クレアモント、義妹
   トム・スターリッジ       ... バイロン卿
   スティーヴン・ディレイン  ... ウィリアム・ゴドウィン、父親
   ジョアンヌ・フロガット    ... ゴドウィン夫人、義母
   ベン・ハーディ        ... ジョン・ポリドリ、バイロンの主治医、「吸血鬼」の著者
   メイジー・ウィリアムズ    ... イザベル・バクスター

===================> フランケンシュタインの著者・小説・映像化

■メアリーの総て MARY SHELLEY (2017/2018、英国/ルクセンブルク)

(以下  結末)
 メアリーは夜記念会に出かける。物陰にいるメアリーに気づかず父ゴドウィンは本を絶賛した。次いであいさつに立ったパーシー・シェリーは自分は作者ではない。自分がこの本に果たした役割は作者にクリーチャーの絶望感を与えたことだけだ。この本の著者はメアリー・ゴドウィンで、彼女が誰の手も借りずひとりで完成させたと話した。

 メアリーとパーシーは正式に結婚する。「フランケンシュタイン」第二版には著者メアリー・シェリーと印刷された。


テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://klause.blog53.fc2.com/tb.php/6119-652717d8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)